第一夜狐の森

 

「狐の森って知ってる?」


ある少女がそう言った、その一言で学校中に狐の森の話が広まった
「なぁ八代、明日さ狐の森に行ってみねえか」
隣にいる和樹がそう言った
「八代ダメだぞ!しかも本当の狐がいるって、そいつに会ったら血を吸われるって」
和樹は笑いながら言った
「何だそれ?吸血鬼みたいだな、じゃあ今日の夜、八代と一緒に確かめに行ってやる」
八代は驚き言った
「え!俺も」
和樹は言った
「だって俺一人で行くの怖えよ」
八代は言った
「この小心者め」
和樹は言った
「は!俺のプライド舐めんなよ神社の前で集合な!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8時50分
俺は神社の前で座って待っていた、
「和樹遅いな、ん?」
八代は
神社の奥にあった狐の像に気づき歩いて頭を撫でた
「夜になると不気味だな」
カコン、カコン、下駄の音が響いた
前を見ると赤目の黒髪の男が立っていた
「確かに夜は不気味だねぇー」
俺は驚いて飛び退いた
「あんた何者何だ?」
赤目の男は
言った
「嗚呼、僕はね」
その時和樹が神社の入り口で声をかけた
「おい八代何か、あったか!」
八代は振り返り言った
「あ!さっき人に」
和樹は言った
「人?誰もいねえけど」
「え?」
振り返るとさっきの着物姿の男は消えていた
和樹は八代の手を引いて言った
「それより早く行こうぜ!」
「・・・」
八代は言った
「なぁ、おまえのプライドどうした」
和樹は震えながら言った
「だってよーひぃー」
八代は言った
「?どうした」
和樹は言った
「狐だぁーー!!」
和樹は走って行った
「和樹ーー」
カコン、カコン、
八代は息を飲んだ
「やあ、また会ったね」
男の赤い瞳は怪しく光っていた